“自由”が奪われた社会で… 5年前に香港を取材した小川彩佳キャスターは
小川彩佳キャスター:
一連のデモから5年が経った香港の現状をどう感じますか。
ジャーナリスト 澤 康臣さん:
あっという間…坂道を転がり落ちるようですね。いかに自由や民主主義が、もろいものであるかということをはっきりと感じざるを得ません。
権利や自由を守り続けようとしなければ、あっという間にやられてしまうということを感じます。

小川彩佳キャスター:
私も香港で一連のデモの後に行われた区議会選挙を取材しました。普通選挙で、市民の皆さんが自分の意思を示す貴重な機会として、力を入れていました。選挙の日は一連のデモと打って変わって、静寂に包まれていて日常が営まれていた印象です。
暴動などが起きて当局が鎮圧に動くと、選挙が延期になったり、無くなったりする可能性があるので、選挙の日は静かに過ごそうとしていました。
自らの意志を1票に託すことができる選挙の機会を「何としても守りたい」という思いや、民主主義への強い思いを、デモの熱狂とは逆説的に感じるような瞬間でもありました。
当時取材した民主活動家の周庭さんに、「命を失うかもしれない恐怖の中でなぜ戦うのか」を問うと、「戦わなければ香港が終わってしまうから」と何度も繰り返していました。
大変な覚悟を持って戦っていた市民の希望を完全に打ち砕くような、今の香港の様子を見ると、悔しい思いでいっぱいになります。「自由」は当たり前ではないということを強く感じさせられます。
ジャーナリスト 澤さん:
我々に何ができるかということも、今また考えていく必要があると思います。
『香港大規模デモから5年』について「みんなの声」は

NEWS DIGアプリでは『香港大規模デモから5年』について「みんなの声」を募集しました。
Q.デモから5年 香港の魅力は?
「変わらず魅力ある」…5.8%
「観光地の魅力はある」…13.5%
「経済都市の魅力はある」…4.9%
「魅力が失われた」…65.1%
「その他・わからない」…10.7%
※6月11日午後11時20分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません
※動画内で紹介したアンケートは12日午前8時で終了しました。
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<プロフィール>
ジャーナリスト・澤康臣さん
早稲田大学教授 元共同通信記者
パナマ文書報道など数多くの調査報道を行う