立岩陽一郎さん「店側の善悪について議論するのではなく、制度をどうするか」

 ―――重要なポイントとして、事業用・販売用に買う場合は免税にはなりません。しかし、外国人観光客が多くレジ対応に追われていると、このあたりの確認が不足してしまうという問題もあるかもしれません。ジャーナリストの立岩陽一郎さんはどう考えますか?

 (立岩陽一郎さん)「これは割と昔からあって、最初に問題になったのは百貨店ですよね。大手の百貨店に外国人が買いに行って、要は消費税を脱税しているんじゃないかって言われた。でも税金の話で非常に気をつけなくてはいけないのは、悪質なものもあるわけ。国税が言う仮装・隠蔽、つまり書類を偽造して税金をごまかす、これはもう脱税で、悪いわけです。今回のダイコクのようなのは、悪とか正義で語っちゃいけない。制度の問題です。だからダイコクが悪いとか百貨店が悪いっていう善悪で議論するんじゃなくて、この制度をどうするかですよ。国税は把握したわけですが、何で把握したかといえば、空港で把握するわけですよ。だからそういうふうに制度を変えられるかどうかですよね。そこを議論しないと。『この業者は悪いんだ』という議論は絶対しない方がいい」