「中国と対話を続けることが重要」

訪日3日目の朝。蒋氏は都内のホテルで開かれた自民党や立憲民主党など超党派の国会議員で作る「日華(にっか)議員懇談会」のメンバーとの朝食会に出席。蒋氏は「これまで日華議員が長い間、台湾を支持し、日台の間で様々な協定締結を助けてくれた」と話し、翌週台湾で行われる与党の民進党・頼清徳(らいせいとく)氏の総統就任式でも再び日華議員と会うだろうとしました。
そして午後、蒋氏は東京ドームを視察した後にJNNの単独インタビューに応じました。

まずは翌週予定されている頼清徳(らいせいとく)氏の総統就任式には出席すると明言、「私も台湾の人々も新政権に大きな期待を寄せています」「世論に耳を傾け、市井の人々の声を積極的に聞いてくれることを期待しています」と語りました。
そこで、新総統となる頼清徳氏が「台湾有事は日本有事」と発言したことについてどう思うかと聞いてみると、「平和と安定の維持を多くの台湾の人々が望んでいます」「私たちは将来、近隣の友好国と協力していきたいと考えています」などと話し、直接的な評価は避けました。

その後、安定した台湾と中国の両岸関係のために必要なことは何かと尋ねると、「私たちは(中国と)対等に尊厳や善意をもって対話を続けることを強調してきました」として、そのために台北市と中国・上海市が定期的にフォーラムを開催し、地域レベルでの交流を続けていると説明しました。
最後に「将来の総統候補」と評されていることについて質問すると「今回の市長就任後初の日本訪問のように市政の推進に全力で取り組んでいます」とし、「安全・安心な都市」フォーラムでの意見交換を活かして台北市の地域振興に貢献したいなどと、かわしました。
蒋氏は滞在最終日の18日、東京スカイツリータウンで開催されているグルメイベント「台湾祭」を訪問。自ら屋台に入って日本語で来場客らに呼びかけるなど、交流を楽しんでいました。
台北市長として初めての日本滞在では、記者の呼びかけにもにこやかに対応、我々の単独インタビューにも応じた蒋万安氏。言葉を選びながらも日本で積極的に発信していた印象です。
「将来の台湾総統候補」が今後どう動くのか、これからも注目し続ける必要があると感じています。