「元来せっかちな性格」なぜ男はフェラーリを高速で走らせたのか… 被告人質問で語られた ”理由”

事故当日、男は喫茶店に行くためにフェラーリの「トリブート」を運転していました。精神科医の男は供述調書で、自身を「せっかち」と分析しています。
また同時に、車を高速で走らせることに快感を覚えていたとも語っていました。被告人質問では、なぜ男が時速120キロで運転していたのか、弁護人、検察官、裁判官が男に問い正しました。
弁護人
― 供述調書で120キロと言っているが事実か
「自分自身がスピードメーターを見ていたわけではないが、あくまで体感。過去の運転経験から車両の速度判定を警察に確認して推測した」
― 制限速度を上回る速度で走っていた理由は
「元来、せっかちな性格で、運転する際に早く目的地に着くことができればと。直線で青信号が続くと少しでも早く行ければと」
― 何に危険を感じて急ブレーキを踏んだのか?
「青信号を直進中に対向車線から右折車が入ってきそうで危険を感じて急ブレーキを踏んだ」
― 被害者への対応は
「歩道上にいてけがをさせた男性には連絡をして直接謝罪をした。亡くなった女の子の遺族には、警察から連絡してはいけないと言われたため連絡できないでいた。今日に至るまで直接的な謝罪はできていない」
― この場を借りて遺族へ述べたいことがあれば
「被害者の方にお詫びの言葉しかない。一生をもって償えられたら」
― 今後、出かけるときはどうするのか
「徒歩や公共交通機関、妻の運転で移動している」
― 勤務先の対応は
「事故当初、休職となった。1日70人ほど診察しており、患者が困るので1週間後に復職せざるを得ないということで復職した」
検察官
― これまでに速度超過が起因する事故のニュースを見なかったか
「見たことはあった。今思えば身の振りを考えるべきだったが、その当時までは意識が向いていなかった」
裁判官
ー 速度超過による事故のニュースと、これまでの運転態度を直結できなかった理由は何か
「自分の運転への過信があったと思う」
弁護側は、歩道にいた男性との間で示談が成立していること、男が贖罪の思いから、日弁連交通事故相談センターへ100万円を寄付していることも明らかにしました。