「本の売り上げだけでは厳しい」街の本屋の新たな切り口

東京・東久留米市にある創業30年の街の本屋さん。店の奥で売られていたのは地元で採れた新鮮な野菜です。

野崎書林 野崎林太郎 専務
「本だけの売り上げで経営が厳しい中、もともとあった本屋の一部の面積を他の事業に変えていくことで、本屋を存続させたい思いがありました」
7年前に父親から店を引き継いだ野崎さん。しかし、電子書籍などの普及から売り上げは下がっていく一方でした。

野崎書林 野崎林太郎 専務
「私が7年前に引き継いだときに5店舗。そこから順次閉めて、(現在は)市内で2店舗の経営にしています。経営としては厳しいですけれども、地元の教育や文化発信のために今後も続けていきたい、と思いがあって引き継いだ」
そこで、思いついたのが野菜の直売でした。

買い物客
「(売り場の)垣根がないので、ちょっと迷い込んじゃった不思議な場所、みたいな感じに野菜のところがなってるので、すごく良いかなと思います」
買い物客
「本屋さんだけだと正直そんな来ないんですけど(野菜)見て、ついでにちょっとだけフラッとして、ついついちょっと買っちゃうみたいなのあります」

野菜の直売を始める前と比べると、来店客の数が多いときで3割ほど増えました。
さらに、この場所に「本屋さんがある」と多くの人に知ってもらえたことも大きかったと野崎さんは話します。

野崎書林 野崎林太郎 専務
「時代が変わる中で、なかなか本屋さんに足を運ぶ習慣がなくなっていってしまっていた人もいると思うんです。『直売野菜』という切り口にしたことで、例えば若い赤ちゃん連れのお母さんですとかが、お野菜を買いつつ『絵本もあるね』って言ってそれも買っていってくれるとか。そういう新しい機会を生み出すことができたと思いますね」