大学生・高校生にも“勧誘の手”SNSで近づき人間関係を構築

「そうですね、非常に巧妙にマインドコントロールを施していく手口がありまして。旧統一教会が日本に入ってからもう60年ほどになるのですが、非常に手口が洗練されています。『こういうレールに乗っかれば信者が生産できる』というものも経験則的にあるんですね」
「毎日学校が終わった後に通いやすい、『また行こう』という気持ちにさせるんですよ、食事を用意してくれたり、毎日お菓子をもらったり、手紙をくれたりとか。先に人間関係を作って『また行こう』と思わせる。『なんかやめようかな。ちょっと危ないな』と思っても、『この人間関係を切りたくない』とか、そういうことで繋ぎとめていくと。そのうちにだんだんと旧統一教会の原理教育みたいなものを施していくんですよ。何かちょっと社会不安をあおったりとか、『こんなに犯罪が蔓延っていて、この世界はちょっと不安ですよね』みたいなことを言いながら。『でも、実はもう既に救世主のような救ってくれる人ががいるんですよ』みたいなことに期待を持たせていくんですね。いろんな合宿を経て、最終的に『これが宗教であり、文鮮明(ムン・ソンミョン)という人がこの世につかわされている』みたいな感動の場面があると」
―――少しずつ少しずつその教団に近いところに自分が行ってしまっているという感じですね?
「最初から明かされたら、かなり荒唐無稽なものなので、信じ込めるようなものじゃないんですよ。そういうプロセスを踏んだ上じゃないと、ちょっと変わったものを受け入れられない。ターゲットは、いま就活とかで悩んで頑張っている人には就活セミナーと言って誘ったりとか、いまでは高校生とかにもターゲットが移っていて、『大学生活をこうやって楽しむために、こうやってためになるよ』みたいな感じで。ターゲットごとに、年代ごとにちゃんと分かれていますね」
―――大阪大学が実際の手口を動画で再現しているということで、YouTubeで動画がアップされています。例えば、手口の一つでもある就活イベントへの誘いだったり、「参加費1万円がもらえるよ」と言ってスピーチ大会に誘ったり、こういった形で誘われるということです。
「実際にコロナ禍において、オンラインプラットフォームとしてカレッジサミットのようなものを作って、そこに大学教授なんかも誘い込んでいるんですよね。実際はそういった内容とはわからずに。そこの大元をたどっていくと宗教関係の人間が始めた団体だったということがわかるんですね」

「これは旧統一教会に限らず、他のカルト集団などもよくやっています。まず、『春から○○大生』とか、ハッシュタグからたどっていって『いいね』をして、だんだんリプライを入れてやりとりをするようになって、直接メッセージでやりとりをするようになったら次のステップにいくという」
―――こういう手口でも近づいてくるということです。狙われやすいのは、学食に1人でいる学生や、学校内に友人が少ない学生は狙われる可能性が高いということですね?
「こういう勧誘は必ず1人を狙うんですね。複数人がいるところには声をかけない」

















