若者たちが払った代償「感情が鈍ってきている」
連絡をとっている3人の若者の中で、最も気がかりだったのがアウンカさん(26)です。

2023年5月、戦闘中に大けがをしていました。
日下部キャスター
「けがをした足の状態はどうですか?」
アウンカさん
「骨はつきましたが、周囲の筋や神経がまだ元に戻らず、走ることも歩くこともあまりできない」
日下部キャスター
「最前線に立つのは難しい状態ですね」

アウンカさん
「1~2回、前線に行ったが、足が思い通り動かないので今は休んでいる。前線に行きたい。今の状態は情けない」
悔しさを滲ませるアウンカさん。いまは新たな任務にあたっています。
アウンカさん
「新人が来ている。軍の徴兵から逃れて、こちらに入隊したいという人が来ている。彼らの訓練や管理、食料の調達をしている」

徴兵を逃れた若者が、続々と集まってきているのです。
アウンカさん
「(PDFの)他の地域の部隊にも新人がたくさん来ている。徴兵から逃げられないように軍が検問をしているが、それを突破してきた」
部隊によっては、千人規模の若者が新たに入隊しているといいます。新人たちは40日間の軍事訓練を受けます。部隊の士気はあがり、アウンカさんが得意の歌を披露することもあります。

アウンカさん
「今、僕たちは勝利を目前にしている。軍の方が逃げ隠れするようになった。僕たちが(軍を)追い詰めている、市街戦でも勝利を収めている」
軍との戦いに自信を覗かせるアウンカさん。ただ、この3年間に若者たちが払った代償も大きいものでした。

アウンカさん
「感情が鈍ってきている。身近な仲間が命を落とすことも増えたが、泣くことができなくなった。この3年間で戦いに参加しているみんなが心に傷を抱えている。みんな3年間辛いことを経験しているので、感情が鈍っている。軍は徴兵した市民に軍服を着せ、僕たちと戦わせようとしている。僕たちはこれ以上、人を殺したくない」
この3年あまりで、民主派の若者や市民など5098人が命を落としています。(人権団体「政治犯支援協会(AAPP)」公表・17日時点)