「今は逆に私たちの方が攻めるように」戦場に3年 若者たちの変化

最前線の動きはどうなっているのか、連絡を取ってきた3人の若者は、いまどんな状況におかれているのか。ウィン・チョウさん、マティダさんを訪ねました。

2人はSNS等を駆使して若者たちを物心両面で支えています。「日本のおとうさんとおかあさん」、2人は若者たちにこう呼ばれています。

最初に連絡が取れたのは、いつも冷静なピ・トゥ・トェイさん(25)。ドローン部隊のリーダーです。驚いたのはネット環境がこの3年で数段、改善された事です。

ピ・トゥ・トェイさん
「ネットを使っている人が少ないから、接続状況が良くなっている」

画面にあどけなさが残る女性が映り込みました。彼女はドローン部隊の経理を担当する19歳の女性。16歳の時から行動を共にしています。

マティダさん
「日本の口紅使ったことないので欲しいと言ってた」

3年間、彼らと連絡を取ってきましたが、こんな和やかな会話は初めてです。戦闘を有利に進めているという自信の表れでしょうか。

ピ・トゥ・トェイさん
「最初は戦闘でドローンを使えることも知らなかったが、今はうまく使えるようになった。以前は軍から攻められる一方だったが、今は逆に私たちの方が攻めるようになった」

ピ・トゥ・トェイさんの話を裏付けるような映像があります。

民主派側
「皆さんは包囲されています。私たちは撃つこともできるが、撃ちません。門まで出てきて下さい。何もしませんから、保証します」

これはPDF=国民防衛隊(民主派)が軍を包囲した時の様子です。呼びかけに応じて、負傷した軍の兵士たちが次々と投降します。

軍の部隊のリーダー
「私の部隊には85人の兵士がいた。私を含め、けが人ばかりで無傷の人は3人ぐらいしか残っていない。考える時間を30分間与えられたが、応援も何も来ないので部下たちのことを考えて投降した」

軍の部隊から脱走する兵士も増えています。

脱走兵が軍に電話をかけ、「もう部隊には戻らない」と伝えると…

軍の上司「どこにいるんですか?」
脱走兵「場所を教えることはできない。自由な場所です」
軍の上司「何を悩んでいるんですか?」
脱走兵「自由になりたい。国民に暴力を振るうのはもう沢山だ」