海外でも導入も…「元夫とのやり取り避けられず。暴言・中傷も続く」の声も 

共同親権の導入が進められた理由の一つは、海外ですでに採用されている国の数が多いことだ。

制度の問題点が指摘された国もある。

1995年「共同親権」に近い制度が始まったオーストラリアでは、共同での養育が強く推奨されてきた。

イザベラさん(仮名)は、夫から暴言など精神的虐待を受けたことで10年前に離婚した。単独での養育を希望していたが、法律が共同での養育について定め、裁判所もそれに従う傾向があったという。

イザベラさん(仮名)
「私は(虐待の)加害者である元夫の要求を100%のみました」

山本恵里伽キャスター
「実際に共同の子育てとなってから、ご自身にはどういうことが起きましたか?」

イザベラさん(仮名)
「いろいろな取り決めをするためには、元夫とのやり取りは避けられません。暴言やウソの中傷も続いています」

子どもたちも、母親への虐待を見てきたことで、精神的に不安定になり不安症と診断された。医師らから、カウンセリングを受けさせるよう勧められたが、父親の同意が必要となる。

イザベラさん(仮名)
「医師や学校から元夫に子どもたちへのカウンセリングに合意するよう伝えましたが、彼は拒否したのです」

オーストラリアでは子どもの養育に関して、意見が対立した場合、政府が委託した民間の支援センターが支援するのだが…

イザベラさん(仮名)
「支援センターは、ほとんど何もしてくれません。資金不足なのです。別居後の虐待被害への支援は皆無です」

2023年、オーストラリア政府は養育をめぐる裁判の乱用や長期化から子どもを守るため、それまでの方針を転換し、“共同での養育にこだわらない”とする法改正を行った。

日本で「共同親権」が新たに導入されることについて、イザベラさんは…

イザベラさん(仮名)
「とても胸が痛いです。日本の多くの当事者たちが、本当にストレスを感じていると思います。まるで、列車事故をスローモーションで見ているような感じです。列車を止めてほしい。でも、止めるために何もできないのです」