自身の課題に向き合うことでGGP優勝を

GGPには世界陸上金メダリストの王に加え、昨年のシーズンベストが8m40と参加選手中トップの林昱堂(24、チャイニーズタイペイ)、4月に8m32の今季世界5位記録(5月17日時点)を跳んでいるミトレフスキー、そして4月27日のダイヤモンドリーグ蘇州大会で王に競り勝ったマーキス・デンディー(31、米国)が出場する。橋岡も「本当にワクワクします」と言うメンバーだ。

だが橋岡にとって最優先課題は助走技術の部分である。

「周りの選手どうこうより、まずは自分の課題にしっかり向き合って、しっかり調整することが大事です。その課題をある程度、納得できるような跳躍ができれば、その選手たちにも勝てるのかな、と思っています」

橋岡にとってはパリ五輪への試金石の大会と位置付けられる。昨シーズンは「新しいコーチの下で動きを学べば、1回崩れる」ことも想定していたため、現在の状態は想定の範囲内で進んでいる。

「どのくらい崩れて、それを修正するのにどのくらいかかるかはわからなかったですけど、1年間崩れて、次の1年で兆しが見えてくるのかな、ととらえていました。今年の冬期練習は、昨年と違ってケガなくやって来られましたし、徐々にフィットしてきていると感じています。あともう少しだな、というのもなんとなくわかってきています」

橋岡が“フィットした”と感じられたとき、どんな記録が生まれるのだろう。日本記録の8m40は射程圏内の記録というより、そこを大きく上回る可能性もGGPの橋岡にはある。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)