「通行予約システム」5月20日から 懸念点も

入山規制に伴い山梨県は、山梨県側の登山ルートについて5月20日から「通行予約システムを」導入すると発表しました。
登山前日までに名前や連絡先などを専用サイトに登録し、通行料2000円を事前に決済。
予約完了時に届いたQRコードを5号目の窓口で提示すれば支払い証明のリストバンドが渡される仕組みです。
日本語・英語・中国語に対応しています。
予約システムの上限は3000人で、当日の受付1000人分を確保しています。事前の予約枠が余った場合は当日分に回し、受付可能な人数はSNSなどで発信予定です。
自己都合でのキャンセルや変更への返金は原則できないとしています。

この予約システムには懸念点もあります。
約2000人収容できる山小屋の宿泊者は登山規制の対象外で、予約システムとは連携していません。
予約システムで事前予約を行なっていない宿泊予約者が多くいれば、規制の4000人を大きく上回ることも考えられます。
吉田ルートの山小屋関係者は、
「山小屋の予約と勘違いしたり、今後いろいろと問題が出てくるのでは。今月7日から(今シーズンの)予約を始めたが、既にほぼ満室」
と話しています。
登山ガイド 上田洋平氏:
システムに関しては、団体客用に1人が100人分を一括で予約できちゃうので、転売みたいな行為が行われないかというのも、個人的には心配です。
また静岡県側の3つのルートでは、登山計画などを記入するウェブでの事前登録を促すということですが、「任意」となっています。
恵俊彰:
4つのルートをみんなで話し合って同じ条件でということは不可能なんでしょうか?
登山ガイド 上田洋平氏:
管轄しているのが吉田ルートは山梨県で、その他の須走・御殿場・富士宮は静岡県ですので、県同士がうまく連携してやっていただきたい。
条件が同じである方が、登る人にとっても分かりやすいんじゃないかと思います。
恵俊彰:
とにかく何か富士山を守っていかなきゃいけないですね。
登山ガイド 上田洋平氏:
環境面でもいろいろお金のかかるところはありますので、今回の通行料は非常に良い取り組みだと思います。今後、値上げなどしてしっかり回るようにしていただきたいなと思います。
(ひるおび 2024年5月14日放送より)
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<プロフィール>
上田洋平氏
日本山岳ガイド協会認定登山ガイド
日本オートキャンプ協会公認オートキャンプ指導者