日本人のみならず、外国人観光客にも人気の富士登山。
この夏のシーズンから通行料の徴収や事前の予約システムが導入されます。弾丸登山や軽装登山、混雑が問題となる中、新ルールの導入で解消されるのでしょうか?
日本山岳ガイド協会認定登山ガイドの上田洋平氏に聞きます。

富士登山に新ルール導入

富士山に登るには、4つのルートがあります。
2023年の全登山者数は22万1322人で、そのうち約6割が山梨側からの「吉田ルート」を利用しています。

山梨県は、吉田ルートの5合目に7月1日からゲートを設置し、1人あたり2000円の通行料(任意の協力金1000円とは別)を徴収します。
さらに山小屋宿泊者を除き、午後4時から午前3時までは入山を規制1日に4000人を超えた場合も入山規制をする事にしています。

観光客からは様々な声がー

ニュージーランドからの観光客
「安全のために登山者数を管理することはいい考え」

アメリカからの観光客
「人が多すぎるので、コントロールする必要があるのでいいと思う」

大阪からの観光客
「それぐらい制限しないと、人だらけで登るに登れない」
「知っていないと、登れなくて残念ですよね」

背景に‟弾丸登山”や‟軽装登山”

規制には、外国人観光客の急増による山頂付近の混雑の解消や、“弾丸登山”防止の狙いがあります。
“弾丸登山”とは、御来光を見るため五合目を夜間に出発し、山小屋などで十分な休息を取らず一気に山頂を目指す危険な登山を指します。昨シーズンの弾丸登山者数は約3800人でした。

日本山岳ガイド協会認定登山ガイド 上田洋平氏:
寝ずに登ることで、体力面の問題や睡眠不足がある。その状態で登り続けると疲れが溜まってきて高山病になりやすいというところが懸念されますね。

さらに目立つのが、サンダルや半袖・半ズボンなどラフな服装で登る“軽装登山”。外国人観光客に多く見られます。
上田氏によると、軽装で登山することは大変危険です。富士山は岩場など険しい道が多く、また山頂付近は強風により体感温度は夏でも0℃くらいで、低体温症のおそれがあると言います。

登山ガイド 上田洋平氏:
雨や風がひどいときなど、無理やり登ってしまうと低体温症まっしぐらだと思いますので、事故防止のためにもなにかしら装備をチェックするルールがあるといいと思います。