『持続感染』が後遺症の原因?なぜ感染は続くのか?

「そういうことですね。まずウイルスの特徴として血液の中に乗りやすい。先ほどの血管内皮細胞にも感染するということのように全身に広がるというのが一つの特徴になってまいります。こういう強いウイルスというのはそういう特徴があります。有名なのは私達が弱ったときに出てくるようなウイルス、サイトメガロとか、帯状疱疹とか、これが体が弱ったときに、活性化するわけですよね」

ーー今後、集団免疫のような状態になったとていも、持続感染は変わらない?
「他のウイルスや他の微生物でもそういうことが証明されてまして、抗体を持っているにもかかわらず持続感染するということもわかっています」
ーー薬で何とかできるものでもない?
「中から排除しようというときに、例えば抗ウイルス薬でもかなり強いやつを使わないといけないんですが、弱いウイルスを排除できるかって言ったら、排除できないんです。ずっと残り続ける可能性、あくまで可能性ですね。私の研究はとにかく持続感染がいろいろな、例えばがんもそうですし『疾患を引き起こしているのではないか』という仮説のもとでやっております。例えば帯状疱疹は、今ワクチンで発症させないというような考え方、薬よりもそっちの方にシフトしています」

「HIV、HPVは比較的強いウイルスです。これが持続感染することによって、AIDSやがんを併発するということがわかっていますし、帯状疱疹ウイルスというのは、私達の生体中にいます。私達の身体は、一番は高齢になると免疫が落ちます。そうなると活性化していきます。もう一つは先ほど言いましたように、ワクチンで、予防できるのが帯状疱疹と子宮頸がん、HIVに関してはこれはワクチンを一生懸命作ってるんですけどなかなかできないんですね。今は薬に頼らざるを得ない、でもゼロにはできない」
ーー新型コロナウイルスによるこの慢性感染症、持続感染症の実態がまだ全くわかっていないと、だからコロナの持続感染症としての実態が明らかになったら、かかっても大丈夫とは言えなくなる可能性があるということですね?
「これはもう正直言いまして、10~20年後に変な病気を出してくる可能性というのはあるわけです。ウイルスがある程度残っている方の実態というのも実はわかっています。例えば、リンパ腫ですとか、血液の疾患の方っていうのはずっと残りやすいということもわかっています。果たしてこれが将来的にどんな病気を起こしてくるか、おそらく10年20年たたないとわかってこないのではないかと思います」