砂の色が移り変わる 「砂の海」の不思議な美しさ

海岸沿いに南北320キロ続くナミブ砂海

アフリカに「砂の海」と名付けられた世界遺産があります。それがナミビアの自然遺産「ナミブ砂海」。砂丘が延々とつづく規模の大きな砂漠を「砂海」と呼ぶのですが、ナミブ砂海は大西洋岸に沿って南北320キロも広がっています。

白い砂丘と赤い砂丘

特筆すべきは景観の美しさで、風によって砂丘は刻々と姿を変え、砂の地表には波のような風紋が刻まれます。さらに海岸に近いところは白い砂丘、内陸に行くと赤い砂丘と、砂の色が移り変わっていきます。海から吹く風で砂は内陸へ内陸へと移動していくのですが、その過程で付着した鉄分が酸化、つまり錆びて赤い色になるといいます。この白から赤への色のグラデーションも見どころです。

現代アートのオブジェのような林立する枯れ木

番組「世界遺産」でこのナミブ砂海を撮影したのですが、砂漠の中にいくつもの枯れ木が林立している奇妙な場所がありました。元々は湖があり緑の木々が生えていた所で、乾燥化によって湖は涸れたのですが、木々は乾燥しきっているために枯れても腐らず、モダンアートのオブジェのように残ったのです。不思議な美しさが、ここにはありました。