日本の国土の7割を占める森林。その森林が今、シカなどの野生動物による獣害被害にさらされています。その画期的な対策を取材。共生への道を探ります。
頭数は30年で8倍に シカによる食害の実態

栃木県佐野市の遠藤厚寛さん。800ヘクタール、皇居の約7倍の広さの森林で林業を営んでいますが、ここ数年、シカによる被害に苦しんできました。

食欲が旺盛なシカが木の皮を食べ、木を傷つけてしまうといいます。こうなると、数十年かけて育てた木が売り物にならないどころか、倒れてしまう危険性もあります。
自分の森にシカがいるのは遠藤さんも前々から知っていました。しかし、10年前から被害が急増。対策を考えざるを得ない状況になったといいます。

遠藤厚寛さん
「被害が我々の経営の中で、『この程度の被害だったらしょうがない、お互い自然の中で暮らしてんだから』と。だけど、ここまできちゃうとちょっとね、と」

実は、日本でシカの数は30年で8倍に増えました。それに伴い被害も全国に広がっているのです。林野庁を訪ねました。