自らの経験を描き、選択的夫婦別姓の必要性を問いかける漫画があります。自分の名字で生きようと「事実婚」を選んだ漫画家の女性とその夫に取材しました。

名前を変えた"苦い経験"別姓を選んだ「事実婚」12年目の夫婦

ホラン千秋キャスター
「こんにちは、よろしくお願い致します。きょうお話を伺うにあたってこちらの表札。2つの名前が」

水谷・野田夫妻
「野田と水谷で。私が水谷で、野田さん」

水谷さるころさん(48)と野田真外さん(56)。(本名・水谷信子さん、野田真人さん)

別姓ですが、夫婦となって12年目となります。

2人は共働き。野田さんは映像作品のディレクター、水谷さんは漫画家でイラストレーターの仕事をしています。

ホラン千秋キャスター
「『結婚さえできればいいと思っていたけど』」

水谷さん
「タイトルは編集さんがつけてくれました。打ち合わせで私が言ったらしいんですけど」

水谷さんの実体験が描かれている漫画を見ると…

「30歳で結婚できた。これでもう人生、軌道に乗った!」
「そしてたった3年半後」
「離婚した」

水谷さんは以前、別の男性と結婚し、自身の名字も変えましたが、33歳で離婚。その3年後、名字を変えたことによる苦い経験から今度は法的な結婚ではなく、野田さんとの「事実婚」で別姓の夫婦となりました。

ホラン千秋キャスター
「なぜ、この事実婚で別姓を選択するっていうのがご自身にとって最適だと思われたのかというところを伺ってもいいですか」

水谷さるころさん
「私は自分の名前で仕事をしていて、出版社とか契約書もたくさんあるし、それが一度名前を変えてしまうと全部変えなきゃいけないんですよね。それがとにかく大変すぎる。やってみるまで気がつかなかったんですよね」

ホラン千秋キャスター
「事務的な部分の煩雑さっていうのが一番嫌だったということなのか、それとも自分の名前を残しておきたいっていうところ」

水谷さん
「残しておきたいというよりは、名前を変えちゃったことによって社会的に見られ方が変わっちゃうっていうのも、すごく大きかったですね」

苦い経験はさらに…

※水谷さんの漫画「結婚さえできればいいと思っていたけど」より

「このお仕事ってギャラはいかほどでしょう?」
「あ~すみません、今回ちょっと予算がなくて…。ワンカット2000円でどうでしょう?」
「え?前回の半額以下じゃないですか…」
「ま~いいじゃないですか。最近ご結婚されたことですし」

結婚して夫の名字になったことで、“夫の下に入った”という印象をもたれてしまったと話す水谷さん。