介入資金に限界は?

市場では早くも介入資金の限界がトピックにあがり始めている。

円買い・ドル売りの介入では、ドルを売る元手に政府・日銀が持つ外貨準備が当てられる。

財務省によると、証券や預金、金など今年3月末時点でその総額はおよそ200兆円にのぼる。

ただ、そのうちすぐに使える預金は24兆円ほどに過ぎない。

2022年に神田財務官は保有国債などの売却も含め、「介入の原資は無限にある」と市場をけん制しているが、そう一筋縄ではいかなさそうだ。

というのも、アメリカ国債を売ると国債利回りの上昇につながり、アメリカ経済にも影響を与えてしまうため、アメリカ当局からの理解が得づらい。

そもそも市場介入について、イエレン財務長官は「極めてまれで例外的な状況でのみ認められる」とのスタンスを取っている。

さらに、アメリカの国債を売ることで長期金利が上昇した場合、日米の金利差が広がることから、かえって円安が進むという可能性もある。

今週もビッグイベント盛りだくさん!

今週後半にかけて、再び円安が加速する可能性がある。

市場が見極めようとしているのは、アメリカの中央銀行にあたるFRBの動向だ。

日本時間2日の未明に金融政策を決める会合の結果が公表され、パウエル議長が会見を行う。

このところ、経済の堅調さを示す指標が相次ぐ中、利下げについてどのような考えが示されるかが焦点だ。

仮に利下げに消極的な姿勢だった場合、再び160円に迫る展開となるかもしれない。

さらに、3日金曜日には雇用統計の発表も控えていて、政府と市場との神経戦が続きそうだ。

経済部・日銀担当 竹岡建介