漁に出ない漁師の選択「海を休ませるレストラン」とは?
「漁師の生活が立ち行かなくなる前に、かつての豊かな海に戻したい」。そんな思いから大石夫妻が開業したのが、こちらのレストラン。

その特徴は…
喜入友浩キャスター
「すごくさっぱりしていて美味しいです。何の魚だろう」

白身魚のセトダイ(瀬戸鯛)やカサゴ。これらは旬を外していて、出荷しても価値が付かない未利用魚と呼ばれる魚です。

漁師 大石一仁さん
「たまたま取れちゃって、漁師さんから相談があったので、僕たちが買いますと」
海の資源を余すところなく活用。また、飲食店の名前を「海を休ませるレストラン」と名付けました。
その訳は…
中学を卒業してすぐに漁師となった大石さん。曾祖父の代から続く4代目が今初めて挑戦しているのが、海での養殖です。
喜入友浩キャスター
「ここでは何を?」
漁師 大石一仁さん
「マサバの養殖をしています」

5m四方のいけすには、1000匹を超えるサバ。悪戦苦闘の連続でしたが、小指ほどの大きさだった稚魚が8か月で20cmを超えるまで成長しました。

この養殖で育ったサバを「海を休ませるレストラン」で提供しているのです。
漁師 大石一仁さん
「魚がどんどん減ってきている理由はたくさんあるが、そのなかの一つに、漁師による乱獲、いわゆる取りすぎという問題が出てきている。そこを解決するために、漁に行く日数を減らしていかないといけない」
養殖での採算は合いませんが、始めてから8か月、漁に出る日数が30日間減ったそうです。
漁師 大石一仁さん
「海っておもしろい。漁に出ない期間が長ければ長いほど、次に漁したらめっちゃ取れるんですよ。海を休ませた先は、昔の豊かな海が戻っていると思う」
