投げるタイミングを変えて“時間の緩急”を操る岩崎の投球術
―――そうした中でも、矢野さんが特に注目してほしいと指摘するポイントが、岩崎投手の巧みな投球術だと。相手バッターが嫌がるように、あえてタイミングをずらして投げているということなんですね?
「岩崎は球持ちがいいとか、ストレートがいいとかあって、ボールの緩急もあるんですけど、投げるタイミングの緩急も使っているんです。いろいろ工夫があって、投げるまでの間を長くしたりとか。普通、ピッチャーは自分のリズムで投げると抑えられるので、あんまりこういうことをやりたがらない。でも岩崎は相手目線の投球もできるので、あえてリズムを崩しにいっている。『まだ投げない、まだ投げない…』とじらして、投げていく。タイミングを変えるのは、簡単そうでなかなかできないんです。若いピッチャーはなかなかできないんですけど、岩崎ぐらい経験があればできる。相手はすごく嫌がります。タイガースには大竹とか…村上もちょっとできるようになってきているんですけど、岩崎はボールの緩急も使いながら“時間の緩急”も使って抑えることができるんです。これからテレビで野球を見るときに、『ボールを長く持ってるな』とか『すぐ投げたな』とか、そんなところを見てもらったら面白いんじゃないかなと思います」
―――バッターからすると嫌だと?
「すごくイライラするんですよ。『はよ投げろよ!』とか『早く投げてきた!』みたいな感じで、バッターの心理を動かすことができるメリットもあります」
―――今はゲラ投手と岩崎投手のダブルストッパーという形で起用されていますが、この後も岩崎投手に期待がかかりますよね?
「日本一になるためには絶対必要なピースなので、これからも頑張ってもらいましょう」














