今後また製造が増えることも?流通増で製造増 最後に少しだけ豆知識も
実際に、流通枚数が増えれば、製造枚数も増えるという一例があります。
前述のように、1円は平成23〜25年と平成28年〜令和5年は貨幣セットのみの製造でしたが、平成26〜27年に大幅に製造枚数が増えていたことがありました。
財務省によると、これは平成25年度に1円の流通枚数が増加したこと、さらに、平成26年4月に消費税が8%になったことを考慮したためだといいます。
ここまで発行枚数が少ないと、その価値も気になります。「日本貨幣商協同組合」の林和美さんによると、貨幣の価値は「その状態と流通枚数で決まる」といいます。ただ、ほんの少しの傷がつくだけでも価値はガクンと落ちるため、扱いには細心の注意が必要です。
豆知識を続けます。キャッシュレス化が進む前はよく話題になっていた「一度に同じ貨幣を何枚まで使えるか」については、「20枚」が限度です。通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第7条に「額面価格の20倍まで」と定められています。
最後に、財務省の製造計画に気になる文言が。「千円」というものです。1000円は日本銀行が国立印刷局に発注している紙幣だけかと思っていましたが、これは何なのでしょうか。(ちなみに、日本では貨幣は硬貨のことを指し、日本銀行券の紙幣とは区別されています)
財務省の担当者は「この千円は、いわゆる『記念貨幣』と呼ばれるもので、国家的な記念事業として閣議の決定を経て発行する硬貨です」と教えてくれました。
目にする機会の減った少額貨幣ですが、手に入れることがあったら邪魔だと思わずに、いつ製造されたものなのかチェックしていきたいと思います。
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取材:TBSテレビ デジタル編集部・影山遼(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)
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影山遼
TBSテレビ デジタル編集部
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®。元すみっコぐらし学園認定記者。名前の通り、暗いです。
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