宝物になった図面

佐藤優子さん:
「(図面を)渡されたとき、なんてうれしいんだろうと思いました。自分の写真も全部流されてなくなって、記録として残っているものはないんですね。それが家族代々まで残せるっていうのは、本当の宝物だと思いました」

震災前の自宅や生活を思い出してもらうことに、西條さんと小林さんはためらったこともありました。それでも、佐藤さんが図面を見つめるまなざしに、背中を押されました。

小林由紀子さん:
「この話たちは、貴重な話だよねっていうことになって、みなさんに見てもらわないといけない図面なのではないかということで本を作ろうということになりました。一生の宝物って言われたのは、すごくうしかったですね」

色あせることのない記録。西條さんと小林さんは、被災した人たちの思い出に、そっと寄り添い続けます。

「記憶の中の住まい」は、宮城建築士会が1冊 1000円(税込・送料別)で販売しています。