陽音くんを襲った難病「小児脳幹部グリオーマ」

 地元の病院からすぐ大きな病院に移り、「小児脳幹部グリオーマ」という重い脳腫瘍がわかりました。“1年”生きられる可能性は50%と告げられたそうです。

 脳幹は脳の真ん中にあります。とても小さな器官ですが、呼吸などをつかさどる重要な役割を担っていて、手術で取り除くことはできません。子どもの脳腫瘍は(年間あたり)100万人に20人が発症すると言われていて、なかでも脳幹部グリオーマは最も治療が難しい病気です。

 (大阪大学・脳神経外科 招へい教授 香川尚己医師)「(小児脳幹部グリオーマは)一般的にかなり浸潤性が強くて(病巣が)広がりやすい。急速に悪化しやすい病気の場合は、非常に悪性度が高くて予後が短い。有効な治療法は、放射線治療で一時的に増殖を止めることできますが、脳幹は手術による全摘が難しい場所なので、やはり放射線治療が中心です」