4月は入学式の季節。ピカピカのランドセルを背負うお子さんの姿は、見ているだけで思わず笑みがこぼれます。そんなランドセルに、ひときわ強い思いを込めた“ある家族”を取材しました。

お兄ちゃん「物が二重に見える」小学1年生の時に“異変”

 兵庫県伊丹市に暮らす豊田さん一家。子どもは、椛(かえで)さん、椿(つばき)さん、丞(たすく)くんの3人姉弟、ではなく…3人には、生きていたら高校生の“お兄ちゃん”がいます。陽音(はると)くんです。6歳下の妹で長女の椛さんをとても可愛がる優しいお兄ちゃんでした。
randoseru2.jpg

 2014年4月に小学校に入学。赤色が大好きだった陽音くんは、黒地に赤い糸の刺繍が入ったランドセルを選びました。陽音くんの体に異変が起きたのは、2015年1月。学校に通い始めて9か月後でした。

 (母 豊田亜紀さん)「入院した前の日にお友達とゲームをしていて、『二重に見えるねん、ママ』と言うので、『あした学校から帰ったら眼科に行こう』と言っていたら、翌日に学校から電話がかかってきて、『様子がおかしいので、病院に行きましょうか』と。その次の日には歩けなくなって、一日一日の進行がすごく速かったです」