厚労省が5年に一度行う「財政検証」で、「国民年金」の納付期間を65歳までに延長する案が浮上しました。約100万円負担が増えるこの案。私たちの「年金」は、どうなるのでしょうか?
国民年金 納付5年間延長?
加藤シルビアキャスター:
そもそも今年は5年に一度の「財政検証」というものが行われる年です。これは公的年金の財政状況を確認して、約100年後までの給付の見通しを示すというものです。

今年の夏頃に結果が公表されるということですが、この検証の中で、現行の案から改正した場合の「オプション試算案」というものが示されます。それが具体的に今回で言いますと、国民年金の納付期間について、現在の40年間から45年間に延長した場合の試算などが示されるということです。

現在の年金制度の仕組みは3段階になっていますが、その中の公的年金の基礎部分「国民年金」について、現行では「20歳になってから、60歳になるまでの40年間納付する」ということになっていますが、試算案では「5年延長して、65歳になるまで納付する」という試算案を出すということです。

具体的に数字がどれぐらい変わってくるのか、納付する金額についてです。現行の保険料を参考に、今年度で言いますと月1万7000円ほどかかっているものが×12で年間約20万円ほど負担増ということになります。
これを5年間延長すると、×5なので納付額は約100万円ほど増えるということが計算できます。
一方で受け取る金額についてですが、現行65歳の満額ですと月6万8000円という金額です。これより増えるということはわかりますが、具体的にどんな数字になってくるのかというのは、これからの試算案で示されるということです。
ホラン千秋キャスター:
星さん、それが夏ごろに結果が公表されるということですか?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
期間を長くするのは二つ理由がありましてね、一つは今、毎月1万6000円ずつ納めて6万8000円もらえるっていうシステムなんですけど、この物価高などを考えるとやはり月6万8000円ではちょっと苦しいですよね。そこをちょっと増やすために5年間延長しましょうということが一つ。
もう一つは全体の年金の財政も少子高齢化が進んでいて少し不安があるので、そこの部分を埋めましょうという両方なのですが、それでもやはりちょっと負担増になりますからね。果たしてこれがそのまま実現できるかどうかはこれからの調整次第ですね。