ギャンブル依存症回復のために周りができること
藤森キャスター:
ギャンブル依存症回復のために周りができることはどんなことか、久里浜医療センターの松下幸生院長に聞きました。

▼借金を肩代わりしない:肩代わりしてしまうことで本人が問題と向き合うことを妨げる
▼依存症についての理解を持つ:病気なので本人の意思では止められない。例えば、叱責すると、症状として「嘘をつく・隠す」ことがどんどん悪化してしまう。
青木さやかさん:
嘘ばっかりついてましたよね、過去は。一緒に住んでいたパートナーに「パチンコやめてほしい」というふうに言われていましたが、その人のことも大事だし、止められないから嘘をついていくようになるんですね。そうすると嘘が嘘で塗り重なっていて、何が本当なのかよくわからなくなる、というか。「嘘をつくのが彼に対する誠意なのかな、せめてもの」と思うようにもなりました。
小川キャスター:
こうしたことを知っておかなければならないですね。
斎藤幸平さん:
知っておかなければならないし、治るのも、そういう意味では相当大変っていうことですよね。何か治療法みたいのはあるんですか。
青木さやかさん:
専門的なことはわかりませんが、「自助グループ」というのがあります。やっぱり1人では治せないというか。
私の個人的な意見ですが、1人で何かつらいことがあると、そのクセ(依存)に戻ってしまう感覚があるので、やっぱり自助グループのような同じような経験をした人たちと語り合って、つらいときの経験を話し合って、そこからちょっとずつ抜けていく、ということが大事なのかな、と思います。

藤森キャスター:
ギャンブルやっているときは安心するような気持ちになるんですか。
青木さやかさん:
そうですね、そのときはそこが「唯一安心するような居場所」であったことは確かです。
小川キャスター:
ここまで青木さんにお話を伺いました。最後に何かメッセージなどありましたら。

青木さやかさん:
私自身はやっぱりギャンブルをやって抜け出せないときに、それを人に言えなかったです。「恥ずかしい」とか、「みっともない」とか思ってましたが、病気ですから、今苦しんでらっしゃる方もいると思いますし、ご家族やご友人が悩んでらっしゃる方もいると思います。正しい知識を、この機会に皆さんが頭に入れていただけるといいなと思います。
<出演者プロフィール>
青木さやか さん
1973年生まれ。愛知県出身。タレント・俳優。過去にギャンブルで数百万円の借金を抱える。依存症の啓発活動への参加や動物愛護活動を行う。ギャンブル依存症、アルコール依存症、ゲーム依存症など、依存症者(アディクト)をテーマにした映画「アディクトを待ちながら」に出演。
斎藤幸平 さん
東京大学准教授。専門は経済思想、社会思想。著書『人新世の「資本論」』は累計発行部数50万部超。