ギャンブル依存症の脱出のきっかけ「底つき」とは

青木さんの厚労省が行う依存症の啓発活動イベントなどに参加されたり、依存症をテーマにした映画にも出演されたり様々な形で発信をされていますが、どういった思いがその裏にはあるんですか。

青木さやかさん:
私はただ自分の経験や過去のことを話しているだけですが、自分の苦しかったこととか、過去いろんな傷みたいなものというのは、決して私だけの問題ではなくて、今も多くの方が抱えてる問題なので、私の発言や経験が役に立てばいいな、というのはどこかにはあります。

啓発活動をする中で、すごくいろんなことを勉強をさせてもらっています。私はこの啓発活動の中で、「ギャンブル依存症が実は病気」だということも初めて知りました。

水原さんもそうかもしれませんが、「底つき」という言葉があります。人により違いますが、家族がギャンブルをやりすぎて家族がいなくなってしまった、とか。自分自身の社会的地位が失われたとか、経済的に困窮したとか、それがそれぞれの人の「底つき」になります。

「底つき」をして自分以外の人を傷つけたな、苦しめたな、と自分が感じたときに初めてギャンブル依存症から抜け出せる、ということがあるらしいんですね。だから自助グループでは「底つきになって良かった」ってみんな言うんです。「初めてギャンブル依存症を認めて、そこから抜け出そうと自分は努力できる」ということをおっしゃっている。

私は言葉は悪いけれど、水原さんにとっては“チャンス”というか、「それしかなかった」ということもあるのかな、と「底つき」ということなのかな、と思います。