イランによる報復攻撃を受けたイスラエル。ネタニヤフ首相率いる「戦時内閣」は、イランに反撃を行うことで一致していると報じられましたが、これからどう動くのでしょうか。
イスラエル「反撃で一致」報道 右派から“過激な声”も
増尾聡記者:
イラン側が今回の攻撃について、一旦終了したことを明かしたことで、テルアビブ市内では日常生活が戻っているものの、市民からは今後の行方について懸念する声が聞こえています。

イスラエル戦時内閣は14日会合で、イランに対して「反撃する」という点では一致したとの報道があり、次の最大の焦点は「どの程度の規模になるのか」になります。

イランの報復攻撃については、イランが攻撃の前後でスイスの仲介者を通じてアメリカとやり取りするなど、いわば調整され、抑制的なものだったという見方が強くあります。

一方、今後のイスラエルの対応が同様になるかと問われれば、そうとは言い切れません。ネタニヤフ政権を支える右派閣僚からは、すでに「最大限の力で反撃するべきだ」などといった過激な声が出ているからです。
また、そもそもの発端となったシリアのイラン大使館への攻撃も、最大の支援国であるアメリカに事前に通知しないという異例の形で強行されたとワシントン・ポストが伝えています。

今回もバイデン大統領は、これ以上事態をエスカレートさせないように求めているといいますが、その声にどこまで耳を傾けるか疑問が残ります。
これまでのガザへの対応をみても、ネタニヤフ首相はアメリカや国際社会からの自制を求める声を無視してきた経緯もあり、今回、強硬策に打って出る可能性も十分に考えられます。
そうなった場合、イランと攻撃の応酬となり、より広い範囲での戦闘に発展するという、最悪のシナリオも考えられ、予断を許さない状況が続いています。