下村議員とされる音声「多分その通りでしょう」

処分された議員の一人が地元でのお詫び行脚を続けている。
下村博文 元文科大臣(下村議員の公式YouTubeより)
「下村博文です。今日はこのような街頭の場をお借りしまして、説明をさせていただいております」
安倍派の幹部を務め、476万円の不記載があった元文科大臣の下村博文議員。1年間の党員資格停止処分を受けた。
下村博文 元文科大臣
「包み隠さず、正直に、お話しをさせていただきます」

2024年2月18日に行われた政治倫理審査会では、下村氏が裏金問題への森元総理の関与について話す可能性があるとみられていたが、言及はなかった。
ところが、 森元総理について、下村氏が語ったという音声データがある。

下村議員とされる音声(提供:深月ユリアさん)
「今回の一連の中で、少なくとも2005年から1999年、森会長の時にそういうスキームを作ってやっていたんだなと今、そういうふうには認識しています」
派閥の裏金づくりが、森元総理が会長だったときに行われていたという認識を語る内容だ。
この音声データは、政倫審の1週間後、下村氏の支援者向けの会合で録音されたものだという。
録音したのは、取材のため会合に参加していたフリージャーナリストの深月ユリアさん。
会合が開かれたという場所は、下村氏の地盤・東京都板橋区の事務所だ。

フリージャーナリスト 深月ユリアさん
「驚きましたね。政倫審の下村議員とは全く印象が違って、とても饒舌にお話をされていた」
音声データには、廃止されるはずだったキックバックが復活した経緯も録音されていた。

下村議員とされる音声
「(政倫審で野党議員に)『5人衆のバックに森さんがいて、そういう形で復活したんじゃないの?』と言われました。多分その通りでしょう。その通りでしょうけど、私がそこにいたわけじゃないから。もし国会で、その通りでしょう、みたいなことを言ったら、下村が森会長の時に、この違法性のある派閥の還付を認めたということで、もうそれで大騒ぎになりますから」
さらに、こうした発言を政倫審でしなかった理由について、「野党に良い材料を与えるようなもの」、「検察に話したことと違うことを話せばもう一度聴取される」とも述べていた。
会合が終わった後、深月さんは下村氏に取材を依頼したが「時間がない」と断られたと話す。
山本恵里伽キャスター
「実際に政倫審で知っていることを言ってなかったとしたら、どういう風に感じますか?」

フリージャーナリスト 深月ユリアさん
「誠意がないなと私は思っている。結局は保身を通したということだと思うんですが、政治家として本当にあるべき姿なのかなと疑問に思いました」
JNNでは、下村氏の事務所に音声データの発言が事実か確認したが、回答はなかった。
4月11日、下村氏に直接取材すると…

Q.森元総理の…
下村博文 元文科大臣
「ノーコメント」
Q.公の場での説明を求められていると思うが?
下村博文 元文科大臣
「いろんなところで説明している」