国賓待遇でアメリカを訪問中の岸田総理。バイデン大統領が主催する公式晩さん会には、音楽ユニット「YOASOBI」も出席。アメリカ流の“おもてなし”を堪能しました。
厚遇 岸田総理のアメリカ訪問 バイデン大統領の狙いは?

加藤シルビアキャスター:
日米首脳会談で岸田総理がアメリカを訪れましたが、「国賓待遇」でということでした。これは9年ぶりのことです。
バイデン大統領の「X」には満面の笑顔の2人。大統領専用車のビーストに同乗しています。これについて日本政府関係者は「他の国の首脳を同乗させるのは極めて異例。両首脳の親密さを示すものだ」としています。
公式晩餐会について比べてみます。

2015年は、安倍総理(当時)の地元・山口のお酒「獺祭」で乾杯が行われました。そしてオバマ大統領(当時)が、俳句を披露したということです。
対して今回は、YOASOBIのikuraさんも出席。歌手のポール・サイモンさんなど約200人の政治家や著名人が招待されました。また、日米を融合した料理が振る舞われ、桜のアイスクリームなども提供されたということです。

首脳会談について、同席していた官房副長官によると、会談の終わり際にバイデン大統領から「日本以上に重要な同盟国はない」と話していたことを明らかにしました。
また、岸田総理から「金正恩総書記との首脳会談を模索している」と説明すると、バイデン大統領は「同盟国が北朝鮮との対話を開始する機会を歓迎する」という発言があったということです。

今回の日米首脳会談のアメリカ側の狙いについて、アメリカ政治に詳しい上智大学の前嶋和弘教授は「日米関係は今までにないくらい良好。担当者が事前にしっかり準備をして会談に臨んでいた。バイデン大統領は日米間を超えるグローバルパートナーとして協力を期待している」と分析しています。
ホラン千秋キャスター:
華やかな部分もありつつ、実際にどんな中身だったのかという点については、どう評価されていますか。
TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
中身は非常に大事だと思います。二つありますが、軍事安全保障の面で日本とアメリカは相当な緊密な体制を作ろうという動きがありました。これは今までになかったことです。
もう一つは経済の分野で、バイデン大統領は秋に選挙を控えていて、とにかくアメリカの景気を良い状態にしなくてはいけない、日本からの投資もお願いしたい、半導体の問題も協力してやっていこう、という面ではかなり成果は出たと思います。
井上貴博キャスター:
軍事安全保障もとても重要で良いことだと思いますが、明らかに両者とも国内向けの選挙対策という思惑が一致している訳で、お互いいつまでこのポストにいられるかわからない状態ですよね。
例えば、日本でオスプレイが墜落したときにアメリカが「良し」と言わなければ「墜落」という言葉すら使えない。本当にこれでいいのか?物を言える状況なのか?物を言うべきときは、言ってほしいという気持ちもあります。
星さん:
日本も、それなりにいろんな面でコミットしていくわけですよね。自衛隊とアメリカ軍との連携は深まるわけですから。一方で、地位協定といいますが、日本のアメリカ軍基地に対するトラブルなどに対して、日本もちゃんと言うべきことは言っていくし、場合によっては地位協定の見直しも必要になってくると思います。