「責任能力考えなければ極刑もって臨むほかない」

2023年12月12日。5日間の審理を経て迎えた判決言い渡し。松山地裁の渡辺一昭裁判長は、河野被告が妄想型統合失調症の影響により、犯行当時、心身耗弱状態だったと認定。
「責任能力の点を考えなければ、極刑をもって臨むほかない事案」
その上で、心神耗弱により刑の減軽をすることになるものの、法律で定められている上限となる無期懲役の判決を言い渡した。
「生命軽視の度合いは甚だしい」
「精神障害の影響を踏まえても、犯行に及んだ被告の意思決定は厳しく非難されるべき」
判決の中で、強く非難した。心身喪失だったとする弁護側の主張は退けた。
判決を受けて、松山地検は「適切なご判断をしていただけたものと考えています」とコメント。
一方の弁護側は、記者の問いに対して、今後については本人と協議して検討すると明らかにした。その後、河野被告は、自らの主張を「被害妄想によるもの」とした判決を不服として、高松高裁に控訴した。
後編では、記者が河野被告と面会した際のやり取りや、河野被告の手紙に記された内容に触れる。
【後編】「死刑覚悟、頭がおかしくて無期懲役判決は不服」一家3人を殺した男からの手紙には、一貫した主張“電磁波攻撃”の存在 そして男と面会へ…
また【前編】では、裁判所での河野被告の発言、警察官が駆け付けた際の生々しいやり取りなどを振り返っている。