“1度目”の一審裁判 検察側・弁護側の主張と判決 そして…
2020年、新潟地裁で一審の裁判が開かれました。
検察側・弁護側はどのように主張したのでしょうか。
<検察側>
「2人は酒を飲んだ帰りに部屋の前で口論となり、その後、伊藤被告が被害者の右腕を2度ナイフで突き刺した」と主張し、懲役10年を求刑しました。
<弁護側>
酒に酔った被害者が倒れこんだ際、誤ってナイフが刺さってしまった「事故の可能性がある」として無罪を主張。伊藤被告も「自分は被害者を刺していません」と起訴内容を否認しました。

<判決>
新潟地裁の山﨑威裁判長(当時)は「伊藤被告が犯人であればナイフを隠したり逃げたりするのが自然。しかし、すぐに119番通報をしていて、犯人とするには不自然なところが多くある。誤って自分を刺した事故の可能性も否定できない」として、伊藤被告に無罪判決を言い渡したのです。
新潟地検はこの無罪判決を不服として控訴しました。
すると、東京高裁は無罪判決を破棄し、新潟地裁に差し戻しました。「一審判決は検討が尽くされていない」というのが理由でした。
そして2022年、新潟地裁で“2度目の裁判員裁判”が開かれることになります。