3500万円書籍代のナゾ

領収書には、書籍代の受け取り先として複数の企業名が記されていた。17の書籍のうち、最も支出額が多かったのが、「ナンバー2の美学・二階俊博の本心」。二階氏についてこう紹介している。

「二階が人心掌握に長けているといわれるその極意というのは『義理(G)と人情(N)とプレゼント(P)』といわれ、多くの関係者から“二階のGNP”と呼ばれているという」

二階氏はこの本を5000冊、合計1045万円分、購入したという。取材を進めると、出版社も把握していない不可解な金の流れがあることがみえてきた。
村瀬健介キャスター
「5000冊という大量の書籍を購入したことになっていますけれども、その書籍の出版社がこちらです」
編集長が取材に応じた。5000冊が二階氏によって購入されていたことを全く知らなかったという。

ブックマン社 小宮亜里編集長
「ちょっとこれは知らなかった。青天の霹靂でした」
本を監修した人物から、出版する大半、6000冊を“自分が買い取る”と条件を提示され、出版を決めた。その人物は政界に広く人脈があり、二階氏とも何度か対談する仲だった。

ブックマン社 小宮編集長
「政治家さんの本って売れないので、(監修者が)「僕が買い取る」と言うので出版を進めました。ポケットマネーなのかもしれないし、その辺はあまり深く考えなかった」

ーー出版に政治資金が使われているっていうのは…
ブックマン社 小宮編集長
「もうそれがわかってたら(本は)出さないですよ。裏金と呼ばれるもので買われてたっていうのはちょっと想像してなかったというか」

二階氏は、5000冊分の代金を、この出版社ではなく、本の監修を務めた人物の会社宛てに振り込んだとしている。支払われたのは“定価”での合計1045万円。一方 出版社は、その会社に割引価格、 約815万円で売ったという。差額230万円はこの会社の利益になっているのか?会社を訪ねた。
村瀬キャスター
「二階さんの政治資金の件で取材をしておりまして。どういったご事情かを伺えないかと思いまして参ったんですけど」
監修者は不在。改めて書面で取材を申し込んだが期限までに回答はなかった。