「完全メシ」は人類が抱える“食の課題”の解決を目指す

日本最適化栄養食協会の設立発表会

―――いま一番、力を入れていることは?
 主要な栄養素がバランスよく適切に調整された「最適化栄養食」のカテゴリーに注力しています。「日本人の食事摂取基準」で設定された33種類の栄養素とおいしさの完全なバランスを追求した「完全メシ」というブランドを、2022年に立ち上げました。完全メシのポイントは、普段の食事と変わらないおいしさを実現しているところです。ビタミンやミネラルなどの栄養素には独特の苦みやエグみを持つものがあり、そのまま入れてしまうとまずくて食べられないんです。しかし、日清食品がインスタントラーメンで培ってきた技術を応用して苦みやエグみをうまく隠しています。

完全メシ「カレーメシ 欧風カレー」

―――「完全メシ」という発想は、どのようにして生まれたんですか?
 いま世界では、飽食による肥満が課題になっている一方で、粗食・小食を原因とした低栄養によって引き起こされるシニアのフレイルや、偏った食生活を原因として、カロリーは足りているけれど身体に必要な特定の栄養素が不足する隠れ栄養失調の増加も深刻な問題です。こうした現代ならではの食の課題を解決したいとの思いで開発したのが完全メシです。食欲を満たすジャンクフードを健康的な食に変えることができたら、食生活で無理や我慢をする必要がなくなるわけですから、人類はもっと健康に、もっとハッピーになるんじゃないかと思ったんです。