「カップヌードルをぶっつぶせ」を合言葉に社内競争を活性化

―――「謎肉」という言葉も話題になりましたね?
カップヌードルの発売当初から入っているサイコロ状の具材ですが、お客さまからは「謎肉」という愛称で親しまれていました。通常なら、自分たちの商品に会社が自ら「謎」という言葉を使ったりしないのですが、お客さまにとって親しみのある呼び名にしたほうがもっとカップヌードルを身近に感じていただけると思ったんです。そこで、今から10年ほど前に思い切って謎肉と呼んでしまおうと決断しました。当時、役員会では反対されましたが、「次世代ユーザーを育成していくためには、これくらいインパクトのある言葉を使わないと響かない」と説得しました。ただ、祖父が命をかけて生み出したカップヌードルですから、祖父が生きていたら許可は出なかったと思います。
―――カップヌードルをどんどん進化させる一方で、カップヌードルを超えるものもつくっていくと?
カップヌードルだけが目立ったらどん兵衛やU.F.O.の担当者はあまりいい気がしませんよね。カップヌードルよりもっと話題を作りたいという社内の競争構造が、われわれの強みになっています。カップヌードルがあるから安心ではダメなんです。「カップヌードルをぶっつぶす」ぐらいの新しいコンセプトやサービス、ビジネスモデルを生み出そうと社内で切磋琢磨することが、日清食品をさらなる成長に導くと考えています。
―――会社の強みは何でしょうか?
商品開発力や技術力です。さらにマーケティング力、それを実行するスピード感が、日清食品の強みだと思います。