戦争にまつわる映画の受賞

一方、今回のアカデミー賞では、ほかにも「戦争」にまつわる映画が相次いで受賞し、話題になっています。

国際長編映画賞を受賞したのは、ホロコーストを題材にした「関心領域」

また長編ドキュメンタリー賞を受賞したのは、ロシアのウクライナ侵攻で、包囲・破壊された町の様子を伝えた「実録 マリウポリの20日間」でした。

ゴジラ-1.0の山崎監督は、今回、オッペンハイマーと並んでアカデミー賞の舞台に上がったことについて、こう語っています。

山崎貴監督
「世界がある種の戦争状態に入っているということは、何か時代に作らされた、という言い方はちょっと大げさですけれど、そういうものがあったのかな」

世界で続く戦争。ウクライナではロシアの侵攻から2年以上が経過しましたが、いまだ終結の糸口は見えていません。

そして、ガザでも、イスラエルとハマスとの間で停戦合意は実現せず、イスラエル支持を変えないバイデン政権に、若者を中心に批判の声が上がっています。

こうした中、戦争を題材にした映画が相次いで受賞作に選ばれた今年のアカデミー賞。

オッペンハイマーが選ばれた意味

上智大学 前嶋和弘教授(現代アメリカ政治)
「一言で言うと、時代を映しているんだと思う。ウクライナ戦争、イスラエルとハマスの紛争で戦争が日常になってきて、その中でオッペンハイマーが選ばれたことは、この時代を表していて、戦争を見る戸惑い、アメリカ人が考える自戒の念があると思う」

映画で、オッペンハイマーは原爆投下後、それを命じたトルーマン大統領に、こう語ります。

映画「オッペンハイマー」より
「閣下、私の手は血塗られたように感じます」

(「サンデーモーニング」2024年3月17日放送より)