比較的若い50代の担い手がいる新潟県阿賀町鹿瀬の夏渡戸集落でも“わら”が集められなくなり、鍾馗様作りをあきらめることを検討した時があったそうです。
それでも「伝統を絶やしたくない」と、地元の酒造会社から稲わらを譲り受け、鍾馗様づくりを続けています。

【夏渡戸区長 江花一実さん】
「その時その時で岐路はある。その時の世代がどう判断するか」
夏渡戸集落ならではの“2体”の鍾馗様は、およそ高さ1.3m。
9人の手により作られた後、担ぎ手によって運ばれ、お堂に祭られました。

6世帯が暮らす小さな集落の『鍾馗様祭り』。
祭りの後、奥阿賀には春の足音が聞こえ始めます。
【夏渡戸区長 江花一実さん】
「鍾馗様がある集落と認識されているので、集落がある限りは鐘馗作りをやっているんじゃないかな」

夏渡戸集落の江花一実さんは、5~6人ほどの作り手がいれば今後も鍾馗様を作っていけそうだと話していました。
一方、今年は鍾馗様作りを断念した上川地域の武須沢入(ぶすざわいり)集落では、来年は鍾馗様を作りたいと話しています。