「天の時を待つ心境」総裁選に向け勝負の半年

2023年10月、民放のBS番組で9月の自民党総裁選について問われた高市氏は、次のように答えて永田町をざわつかせた。

「まずはセキュリティ・クリアランスを仕上げます。そしてまた(総裁選を)戦わせていただきます」

また、1月には、大阪・関西万博を延期するよう岸田総理に進言したことを自ら明らかにするなど、閣僚の中では自由な発言が目立つ。
こうした振る舞いには党内から厳しい目も注がれているが、保守層を中心とした人気は根強いものがあるのも確かだ。

高市氏が顧問を務め、自身の国家観をともにする「保守団結の会」の議員の一人は、「(保守団結の会が)総裁選のための会ではない」と前置きした上で、「結果として思想信条が近い人を応援するのは自然なこと」として、総裁選で高市氏を支持することを示唆している。

また、前回の総裁選で高市氏の推薦人となった議員は、安倍元総理の想いを推し量る。

前回の総裁選の高市氏推薦人
「安倍さんが唯一できなかったことを挙げるなら、高市さんをちゃんと後継者として送り出してあげられなかったってことだ」
「自民党の選択肢として保守がなくなるのはあり得ないから。それだけ保守層ってのは重要なんだよ。」

安倍氏の支持はもう得られないものの、その遺志を継ぎ、変わらぬ価値観を強調することで保守層に訴えかけていくものとみられる。

年明けのラジオ番組で高市氏は総裁選について問われた際に、三国志の一節を引用して「『身を屈して、分を守り、天の時を待つ』という心境」と述べた。
「野心を心の内に秘めて時が来るのを待つ」という意味だ。

「セキュリティ・クリアランス」などの成果を積み上げて、来る9月の総裁選ではリベンジとなるか、この半年が勝負となる。

(TBSテレビ政治部 大室裕哉)