「被害女性が溺水し死亡した経過は、殺害計画に完全に符合」大阪高裁は控訴を棄却

 3月4日の控訴審判決。大阪高裁は、砂など物的証拠の面からは「事故や自殺の可能性を完全に排除できず、他殺の可能性が相対的に高いと言えるに留まる」と指摘。和歌山地裁が他殺と断定した判断過程の一部を、不合理だと指摘しました。

 しかし大阪高裁は、事件半年前からの野田被告の検索履歴「溺死 殺人」「完全犯罪 海水浴」「保険金殺人」などや、事件前後の野田被告とその不倫相手、妻を取り巻く状況を精査。

「海水浴中の溺水に見せかけて被害者を殺害し、保険金を得る殺害計画を思い立っていたと考えるのが相当」とした上で、不倫相手には離婚を約束する一方、志帆さんやその両親に対して不倫解消を約束するなど、「実現可能性のない複数の約束が露見する絶対絶命の状況」の下で、志帆さん殺害の意思を野田被告が強めたと判断。

 「被害女性が溺水し死亡した経過は、殺害計画に完全に符合し、他殺以外によって実現した偶然は考えがたい」と断定。野田被告側の控訴を棄却しました。

 大阪高裁によりますと、野田被告側はこの判決を不服として、3月7日付けで上告したということです。判断は最高裁に委ねられます。