「スマホながら運転」反則金対象へ

なぜ、こういうことが閣議決定に上がり、今国会の成立を目指すのか。

交通事故自体は減ってきていますが、"自転車の事故"というのは、依然、増え続けています

2022年の自転車関連の交通事故は6万9985件、全交通事故の23.3%とかなり多く、2023年4月にはヘルメット着用が努力義務化となりました。

自転車が関係する死亡・重傷事故件数が全体で7107件、うち7割以上の5201件の事故が信号無視や前方不注意など、自転車側の違反で起きている重大事故です。

そこで自転車にも「青切符(反則金)」ということになります。

【青切符(反則金)主な違反行為】※反則金額は原付バイクの場合
▼傘差し・イヤホン使用など:5000円
▼一時不停止:5000円
▼信号無視:6000円
▼遮断踏切への立ち入り:7000円
▼携帯電話などの使用:1万2000円

警察庁は「今後具体的な取り締まりの運用方針を定める」としています。

井上貴博キャスター:
「罰則強化」という意味で報じられますが、むしろ罰則を緩和してるのではないかな、と思うところもあって。車であれば赤切符が切られる、同じことやってもいいけれど、そうすると前科者が大量に出てしまうので、青切符でだれでも乗れる自転車だからこそ、ルールをしっかりしていきましょう、ということなんだろうなと。

弁護士 萩谷麻衣子さん:
おっしゃる通りです。自転車というのは、今の状態だと「警告」か、刑事罰を前提とする「赤切符」しかなくて、警察としても「取り締まらなければいけないが、刑事罰を科すまでではない」というものに関しては、警告で終わらせてしまう。

警察が取り締まりを厳しくして赤切符を出しても、検察の段階で不起訴にするというケースも多く、取り締まりの効果が上がらない。なので、自動車と同じく「反則金を納めれば刑事罰は免れますよ、刑事手続きはしませんよ」という青切符の制度を自転車にも入れ、赤切符にするほどじゃないが、厳しく取り締まるべき行為は取り締まっていこう、そういう発想で取り入れられたものですね。

ホラン千秋キャスター:
車を運転しない人からすると「標識ってどういうルールだっけ?」となりかねないと思うので、「車だけに向けたものではないんだな、自転車にも向けたものがあるんだな」と思って学び直さなければいけないな、とすごく思います。