目が見えない・見えづらい視覚障害者にとって、住み慣れた場所以外での避難生活は多くの不安が伴うものとなります。能登半島地震の当事者の体験と、支援の取り組みを取材しました。

避難所への階段が地震で崩れる

元鍼灸師の灰谷誠司さん(74)。高校生の時に視力を失い、盲導犬と暮らしています。灰谷さんは元日、能登町小木の自宅で被災しました。

震度6強の揺れを記録した能登町で被災した灰谷さん

灰谷さん
「今まで体験したことのない強くて長い揺れだったから、まだまだ大きくなるのかなというような不安な気持ちになった。トイレにいたので、出られなくなったら困るので、まず道を開けてとりあえず座ったままじっとしていた」

すぐに家族とともに近くの避難所に向かいましたが、その道のりは想像以上に厳しいものでした。

「高台にある小学校が一番いいんだろうと前から思っていたので、一番利用する階段に行きたかったけど、近道でもあるその階段が崩れていて上れなかった」