介護タクシーの合間に“御用聞き”をこなす『柏崎ポーターズ』の小池勝己さんは、時に気を付けていることがあるそうです。

「例えばだけど、その人の担当のケアマネージャーさんが『実はこの人甘いもの大好きなんだけど、摂り過ぎはよくないと医師に言われていて…』と。
そういうのがあると、『2つ』と言われていたところを減らして買ったりとか。
勝手に決めるんじゃなくて本人に話したりケアマネージャーと話したり、『お医者さんも言っていたしね、この部分は減らしましょうかね』とか…」

認知症やお金の管理に関わる自立支援が必要な人など、利用者一人ひとりの特性に合った対応をするため、単なる買い物代行の枠には捉われない、細やかな心遣いをしています。

新潟県柏崎市に限らず、全国で課題となっている深刻な高齢化問題。
2025年にはおよそ800万人いる「団塊の世代」が75歳以上になり、国民の5人に1人が後期高齢者という「超高齢化社会」を迎えると言われていて、地域で支え合う仕組みづくりが急がれています。

「あらゆる年代で、地域で、悩み事を抱えて孤立している人がけっこういるなと感じる。地域で何千人、何百人対応しようというのではなくて、そういった人が1人いたら、自分が動くことでその1人が救える。少ないかもしれないけど、そういった小さな“積み重ね”というか…」

『柏崎ポーターズ』の活動の原点は、小池さん自身が働きながら17年間両親の介護をしてきたことにありました。