来週、今年の経済成長率の目標が発表される中国ですが、市民の間では経済の先行きへの不安などを背景に節約志向が広がっています。人気が集まっているのは、いわゆる「おつとめ品」です。
こちらは中国・北京にあるスーパー。
記者
「チョコレートですが、360円ほどの定価ですが120円。3分の1くらいになっています」
瓶ビールも日本円で240円のものが80円と格安です。安さの秘密はというと。
記者
「こちらのポテトチップスですが、値札を見てみますと、消費期限が4月30日と明記されています」
消費期限が近づきつつある商品を「おつとめ品」として売っているのです。北京の隣、天津でも。
買い物に来た人
「香辛料を買ったり、飲み物を買ったり、あとはヨーグルトとか牛乳とか」
毎週来店する人
「本来100(元)以上の値段で売られていても、消費期限に近い商品なら半額だろ?」
中国では消費期限が近づいた食品は「臨期食品」と言い、これを販売するビジネスは「臨期経済」=「おつとめ品経済」と呼ばれています。その市場規模は、2年後には日本円でおよそ1兆円に達する見通しです。
また、こちらは安さを売りにするベーカリー。
中国SNSより
「私の店はたくさんの人から愛され、応援してもらっている」
1個およそ40円という「2元パン」を販売し、人気です。この「2元パン」、北京でも販売されていましたが、買った人は。
北京で2元パンを買った人
「人だかりが見えたので買いました。味は普通でした」
今、中国では経済の先行きへの不安や雇用の停滞などを背景に「節約志向」が広がっています。
前の年の同じ月と比べた消費者物価指数は1月まで4か月連続マイナスで、景気後退につながるデフレへの懸念も高まっているのです。一方で政府は。
中央経済工作会議
「経済宣伝と世論誘導を強化し、中国経済光明論を唱える」
「経済の見通しは明るい」という宣伝活動に力を入れています。
春節の期間中には「年間の国内観光客はのべ60億人を超える」などの見通しを連日、発表していました。ただ、専門家は格差が原因で「消費の二極化が起きている」と指摘。「全体が堅調になるシナリオは描きにくい」とみています。
来週、中国では、国会にあたる「全国人民代表大会」が始まり、政府は今年の経済成長率の目標を発表しますが、経済が再び軌道に乗る日はいつ来るのでしょうか。
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