「加害者は逃げ得。制度は絵に描いた餅」

 去年10月、事件・事故の遺族らで作られる「犯罪被害補償を求める会」のシンポジウムに雄介さんが登壇します。

 (稲田雄介さん)「実態はやはり加害者は逃げ得だなとすごく感じまして、本当に損害賠償もらってよかったねと誤解される部分もあるかもしれないですけど、実際ふたを開けるとそうではない。(損害賠償命令制度は)絵に描いた餅」

 さらに、被害者の気持ちをこのように語ります。

 (稲田雄介さん)「生活に追われること、(賠償手続きで)時間に追いかけられてしまうことで、故人に思いをはせる時間もなければ悲しむ時間もないわけですよ」

専門家「賠償金を国が立て替える制度が必要」

 犯罪被害者補償に詳しい奥村昌裕弁護士は、被害者の負担を減らすためには賠償金を国が立て替える制度が必要と話します。

 (奥村昌裕弁護士)「現時点では立替制度が一番、実現可能と考えています。別に差し押さえじゃなくても、国が加害者と連絡を取って、分割でもいいから支払いなさいという交渉をする。被害者が自ら弁護士を雇ったり自分で交渉をしている、その負担を(国が)取るだけでも全然違うと思います」

 家族を失った悲しみと経済的負担。遺族らは制度の見直しを求めています。