「少花粉スギ」とは

星野誠気象予報士:
「このあたりのスギは、普通のスギに見られるようなオレンジ色の部分、いわゆる雄花がありません。だから、ゆすっても花粉が出ないんです」

大衡村にある県林業技術総合センターが開発している「少花粉スギ」。雄花がつく量は通常のスギの1%以下です。センターでは、2つの方法でこの少花粉スギを増やしています。

1つが「挿し木」。「母樹(ぼじゅ)」と呼ばれる繁殖のもととなる木の枝先を切り取り、ハウス内に植え、根を生やして苗木にするものです。今年は、5つの品種から13万3千本を生産し、県内の苗木生産者に出荷します。

県林業技術総合センター 千葉利幸企画管理部長:
「挿し木の大きなメリットは、クローンなので親の性質を100%受け継ぐということがあります。この場合ですと、花粉のつく量が1%以下、これが確実に保証されます」

一方で、挿し木は単一の品種のため病気になった場合、影響が広がるおそれがあります。このため、センターでは「種」で増やす方法もとっています。花をつけやすくする特殊な薬剤を散布したのち、10品種ある別々の少花粉スギどうしを人工受粉させることで、みのった実から種を取るのです。

ただ、この種の量は思うように増えてはいないといいます。