東京の職場でのパワハラで…逃げるように西成へ来た女性

 カウンターに若い女性が一人。無料のうどんを食べていました。33歳のアオイさん(仮名)。東京の飲食店で働いていましたが、上司からパワハラを受けて、数日前に逃げるように西成にやってきたといいます。

 (アオイさん)「すごく温かいものを久しぶりに食べました。食事はカツカツにしないと無理で、食べられても1日1食とか。西成だったら助けてくれる人がいるかもしれないと思って。うどん屋さんはグーグルで調べたんですよ。一か八かで行ってみようかと思って」

 所持金はごくわずか。スマートフォンのキャッシュレス決済に友人から送金をしてもらい、ネットカフェやゲストハウスに泊まっています。

 (アオイさん)「この世の中ってお金が必要じゃないですか、食べるにしても。お金がない自分たちにとっては、ああやって無料で提供してくださるのは本当にうれしいです」

 アオイさんは今後、大阪に住み、職に就こうと考えています。
24.jpg
 (キンちゃん)「ほんまに何度も悪い事してきたので、どっかで何かで返せたらというか。それはただの自己満足なのかわからないけど。俺がここの店を元気にやっている限りはずっとやっていこうかなと思っている、無料をね」

 元暴力団員が提供する一杯のかけうどん、西成で生きる人たちの支えになっています。