当事者の声を採用していってもらわないと傷つくのは子どもたち

延岡市北浦町にあるフリースクール「ヒノワ」

ここに週1回通っているのが小学6年生の「ひなこさん」です。
ひなこさんは率先して昼食づくりにも取り組むなど毎週、ここに来るのを楽しみにしています。

(母親・あすかさん)「ものすごく顔が違います、朝から全然違います。多分本人には安心できる場所なのではないかと思います」

そんな、ひなこさんは、母親とともに学びの多様化学校の説明会に参加。4月から通学することを決めました。

(母親・あすかさん)「本人から『行ってみたいな』という言葉があったので、じゃあ行ってみようかということになりました」

県内では初めて開設される学びの多様化学校。通学を前に母・あすかさんの思いは。
(母親・あすかさん)「当事者の声を採用していってもらわないと傷つくのは子どもたちなので学校にも行けなかった多様化学校にも行けなかったって2回も傷つくことはしたくないので、そこらへんをくみ取って多様化学校を、一緒に作っていきたいですよね。教育委員会と親と」

こちらはヒノワを運営する小泉明子さんです。
元小学校教諭で自身も親として子どもの不登校を経験しました。


学校にいけない子どもたちに寄り添う小泉さんは、「学びの多様化学校」の開設に期待を寄せています。

(学び舎ヒノワ・小泉明子さん)「少なくとも子どもが悪いではなく新しい選択をしようとしてる子どもたちがいるから大人がどうやって応援するかっていうところの考え方だと思います。『学校に行かない』と言ってる子どもたちの声を聞く保護者の声を聞くというところを、ぜひやってほしいと思ってます」

子どもたちの新たな居場所を目指す「学びの多様化学校」。

延岡市教育委員会の澤野幸司教育長は・・・

(延岡市教育委員会・澤野幸司教育長)「われわれ自身が多様化学校をどうしたら子どもの学びが継続できるのかっていうことを考える。われわれが試されているんだというふうに考えている」

一方、多様化学校が開設される熊野江小学校は、JR延岡駅から車やバスで30分ほどかかる場所にあり、保護者の送り迎えかバスでの通学が必要です。バスで通学する場合は片道だけで820円かかります。

もちろん定期を購入すれば割安にはなりますが、負担は少なくありません。

学びの多様化学校については、宮崎市も2025年度中に開設する方針です。
県内初となる延岡市では、地方の新たなモデルにもなるとしていて今後の取り組みが注目されます。