「政治家の常識は、税の世界では非常識になる」

八ツ尾教授にキックバック分の課税額を計算してもらった。

前提は国会議員の給与に当たる歳費(2300万円)以外に所得がない場合、仮に3年間で1900万円のキックバックを得ていた議員の場合は…

大阪学院大学・法学部 八ツ尾順一教授
「だいたい1000万弱ですかね…、これだけで」

更にもし意図的に隠ぺいした事実があれば重加算税が課せられる可能性がある。その税率は35%。課税額はおよそ1200万円になる。

大阪学院大学・法学部 八ツ尾順一教授
「(議員が修正した収支報告書に書いた)使途不明金ですが、法人税法上では“使途秘匿金”というんですけどね、使途秘匿金だったらペナルティがあるんです。支出した金額の40%を税金として取りなさいっていう法人税法の規定があります。(中略)所得税でも法人税でも、収入が2000万円あって税務署に『使途不明金分1000万円引いて(課税額算出して)ください』って言っても、これを税務署は引かないでしょ。これはあくまで常識の世界。税法の問題ではなく常識の世界ですよ」

政治家の常識は、税の世界では非常識になると教授は語った。そして、税理士の資格も持つ教授ならではの考えを補足した。

大阪学院大学・法学部 八ツ尾順一教授
「もしこれが税法上雑所得であればね、税理士が自らそういうのを申告しなさい、とそういうことを言わなければならないというのは教科書的にはそうなってくるわけです…(―――でも実際は?)なかなかそりゃ~税理士もそういうことは言えないでしょうな」