■第56回青梅マラソン 30kmの部(18日、東京・東青梅4丁目→川井(折り返し)→住友金属鉱山アリーナ青梅)
最大高低差85.8m、アップダウンの多い難コースのため、仮想パリ五輪とも言える青梅マラソン30kmの部に、パリ五輪男子マラソン代表の赤﨑暁(26、九電工)と、女子マラソン代表の一山麻緒(26、資生堂)が出場し、赤﨑は男子の部を1時間29分46秒で優勝。一山は女子の部を1時間45分21秒で優勝した。
前巨人監督の原辰徳さん(65)がスターターを務めた東京・青梅路を駆けるロードレース。30㎞男子の部に出場したのは、23年10月のマラソン・グランド・チャンピオンシップ(MGC)で2位に入り、パリ五輪代表に内定した赤﨑暁(26、九電工)。ニューイヤー駅伝、都道府県対抗男子駅伝などに出場、初の五輪に向け調整を続けている。最初の5㎞を14分30秒で走り、2位に33秒の差をつけると、15㎞は43分53秒で通過し、日本記録ペースで快走を続ける。後半はやや失速したものの、1時間29分46秒の1位でフィニッシュ。初の五輪に向けて順調な調整ぶりを伺わせた。
レース後に「折り返してからランナーの方々から途切れることなく大きい声援を頂き、自分の大きな力になった。なかなかそういうことは体験できないことなので、うれしかった」と語った赤﨑。「後半20km手前の上り坂でペースダウンしてしまった。パリ五輪のコースも15㎞くらいから激しい坂があり、ある程度走った所からの坂ということで、今回はいい予行演習になった。」と前を向いた。
赤﨑同様、MGCで2位となり21年東京に続く2回目の五輪切符をつかんだ一山は、最初の5㎞を16分39秒で走り、2位に1分21秒差をつけ早くも独走体勢に入る。15㎞ではさらに広がり、2位に4分11秒の差をつけ一人旅を続ける。そのままトップを守り、1時間45秒21でフィニッシュした。
初の30㎞を優勝で飾った一山は「スタートして3㎞すぎくらいから苦しい走りになったが、沿道でたくさんの方が応援してくれてうれしい気持ちで最後まで走り切った」と振り返り、パリ五輪に向けては「怪我なくしっかり練習をこなしていけば自信にもなっていく。レースが楽しみだなという気持ちでスタートラインに立てたら、いいパフォーマンスが出来ると思う」と意気込んだ。
■青梅マラソン
1967年にスタート。スタートと折り返し地点の高低差が85.8m。20㎞過ぎに約25mの急な上り坂がある。01年大会覇者は、シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子。04年には野口みずきが大会記録で優勝し、その年のアテネ五輪で金メダルを獲得。20年には前田穂南が野口みずきの大会記録を更新する1時間38分35秒で優勝した。