「賃上げ」にもつながる学び直し=「リスキリング」について、岸田総理が育休中の人を支援する意向を表明し、批判を浴びています。育休中の母親の戸惑いの声を取材しました。
批判の発端は、先週の国会での岸田総理の答弁です。
自民党 大家敏志 参院議員
「『リスキリング』によって、子育てをしながらもキャリアの停滞を最小限にしたり、逆にキャリアアップが可能になることも考えられます。親が元気と勇気をもらい、子育てにも仕事にも前向きになる」
仕事のスキルアップなどのための学び直し=「リスキリング」。自民党の議員が産休・育休中に取り組む場合、国が支援をするよう岸田総理に求めました。
岸田総理
「リスキリングへの支援を抜本的に強化していく中で、育児中など様々な状況にあっても、主体的に学び直しに取り組む方々をしっかりと後押ししてまいります」
岸田総理は“育休中”の取り組みを「後押し」する旨を表明したのです。これに批判が殺到しました。
立憲・小沢衆院議員(おとといツイッターで)
「頭がどうかしているとしか考えられない」
共産・小池書記局長(きのうテレビ番組で)
「子どもの育児で格闘しているときにできるわけない」
2人の娘をもち、2度目の「育休」中の川野さん。総理の発言をどのように受け止めたのでしょうか。
2度目の育休中 川野さん
「休んでいるわけではないってすごく思います」
1歳の娘は家中を走り回る元気な盛り。取材中も、片時も目を離すことはできません。
子どもを他の人に預け、まとまった時間がとれない限り、育休中のリスキリングは難しいと感じています。
2度目の育休中 川野さん
「預け先があれば私も何かやれたかも。ちょっと何か頑張れたんじゃないかなと思う。でも、 預け先があって何かやるんだったら、(仕事)復帰した方がいいんじゃないかと。何のための育休か分からなくなっちゃう」
きょう岸田総理は発言について、自身の経験談を交えこう釈明しました。
岸田総理
「私自身も3人の子どもの親です。子育てというものが経済的、時間的、さらには精神的に大変だということ、これは目の当たりにしましたし、経験もしました。あらゆるステージにおいて本人が希望したならば、リスキリングに取り組める環境整備を強化していくことが重要だという趣旨で申し上げた」
あくまで本人が希望したタイミングで支援をする点を強調しました。
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