若者の街・渋谷を作り上げた西武渋谷店が58年の歴史に幕を下しました。ランドマークが次々と姿を消す中、渋谷の街は、変化のときを迎えています。

記者
「最後の営業日を終えました。このシャッターが開くことはもうありません」

きのう、58年の歴史に幕をおろした西武渋谷店。最後の瞬間を見届けようと多くの人々が集まっていました。

「寂しいですね。百貨店ってなくなるんだって思いました」
「渋谷のひとつの文化が終わったって感じがします。渋谷西武、パルコも含めて時代を作ってきた」

1968年に開業した西武渋谷店。国内外の新しいブランドやデザイナーの商品をいち早く展開する、まさに“文化の発信地”でした。

渋谷西武を率いた旧セゾングループ。まわりに渋谷パルコやロフトなど次々とオープンし、若者のライフスタイルに大きな影響を与える存在に。

渋谷西武が変えたのは、街の様子だけではありません。

アメリカの俳優・監督のウッディ・アレン氏を起用したテレビCM。商品の宣伝ではなく、ライフスタイルそのものを提案するCMは、暮らしの中で消費への価値観を大きく変えました。

若者文化の発信地だった当時をよく知るひとりが…

西武渋谷店最後の展覧会を手掛けたアーティスト・増田セバスチャンさん。

アーティスト 増田セバスチャンさん
「渋谷に行けば何か新しいカルチャーが始まっている。自分の時代だと、アートも演劇も音楽も。西武とかセゾン系のパルコとか、そういうところに行くと、自分がオシャレになった気持ちもするし、一段大人になった感じ」

90年代のバブル崩壊と専門店の台頭など小売り業界をとりまく変化、さらには最近の渋谷の街の100年に一度の再開発など、大きな変化に向き合っていくことになります。

ピーク時には967億円あった売上は、およそ400億円にまで減少。2016年からは赤字経営が続いていました。

「(百貨店は)ちょっと料金がお高いイメージ」
「おばあちゃんと行かないと行かない」

渋谷エリアの再開発をめぐって、地権者と賃貸借の契約で合意ができず、西武渋谷店は閉店を迎えました。

「デートはいつも渋谷だった」
「もう僕ら渋谷に来なくなるね、これで」

「インバウンドとか若者が多いから、見るためのお店はとても多い。『入って買ってみようかな』っていうお店が少なくなってきている」

文化の発信地だった渋谷。ランドマークだった東急百貨店、西武渋谷、そして今年11月にはハンズ渋谷店と続々と姿を消すことになります。

今後、渋谷はどう変わっていくのか。

アーティスト 増田セバスチャンさん
「新しい渋谷にすごく期待している、また若い世代が集まって、何かを生み出す場所になってくれたら」

西武渋谷の時代が幕を下ろし、再開発によってオフィスビルや商業施設が続々と誕生。渋谷の街で新たな物語が始まろうとしています。